基本的には4-3-3をベースに前線からのプレッシングと素早い攻守の切り替え、ポジションにこだわらない流動的なローテーションアタックで当時のサッカー界にはなかった新しいサッカーを示した。その完成された組織的なスタイルから「オレンジ・マシン」「時計仕掛けのオレンジ」などと呼ばれた。
トータルフットボールの戦術では選手は機械的に決まった場所へ動くのではなく、各選手がそれぞれの判断で流動的にポジションチェンジを繰り返す。またオランダの伝統であるサイド攻撃が基本となり、両ウイングと両サイドバックの積極的な攻撃参加から得点チャンスを演出する。中盤では常にボールをキープすることでボールポゼッションを高くし、素早いボール回しと頻繁に繰り返されるポジションチェンジから様々な攻撃が展開されることになる。守備時には高い位置から激しいプレッシングを行い、相手陣内でボールを奪取。ディフェンダーは高い位置にラインを引いて頻繁にオフサイドトラップを仕掛け、GKは高く上げたディフェンスラインをカバーするスイーパー的役割を果たした。
西ドイツ大会では準決勝までで14得点1失点。オランダ代表の繰り出す攻撃的でスペクタクルなサッカーは、相手チームから観客まで、見るものすべてを圧倒し魅了した。惜しくも決勝では地元西ドイツに敗れるが、この新しいサッカーはその後のサッカーに大きな影響を与えることとなる。
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