1990年代のコロンビアは、稀代の天才司令塔イギータの存在によって魅力溢れるサッカーを体現しており、まさに絶頂期を迎えていた。だが、その黄金期も長くは続かず、その後の低迷で、大舞台からその姿を消していた。そして近年、カルレロをはじめ、ようやく現れた攻撃のタレントによって再びその輝きを取り戻そうとしている。
かつてのコロンビアは、ショートパスを主体としたパスサッカーを展開しており、コロンビア国民もイギータ時代のような華麗なパスサッカーを期待していた。しかし、指揮官はその悪しき伝統を排除し、現実的な堅守速攻型のスタイルを採用。守備を固め、ピッチを縦横無尽に切り裂くロングレンジのパスを駆使し、手数をかけず、一気に相手ゴールに迫るダイレクトサッカーへと方向転換を図った。そして、その堅守速攻スタイルを可能にしたものこそが、カルレロをはじめとした前線の攻撃陣の存在である。その多彩なタレントは、列強にも負けるとも劣らず、爆発的な破壊力を秘める。また、ポゼッションを重視しないため、中盤には機動力と対人能力に優れた選手が起用され、さらに、両サイドバックの果敢な攻め上がりも強みで、ドミンゲスの創造力とカルレロの多彩なフィニッシュへとつなげる。こうした適材適所の配置が、選手の個性を引き出し、強烈なカウンター攻撃を可能にしている。
世界大会の南米予選では、アルゼンチンに次ぐ2位で通過し、本大会でも躍進が期待される。
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