1990年前後から主流となった3-5-2システム。
ドイツは86、90年と2大会連続アルゼンチンと決勝を争い、90年には86年で負けた雪辱を見事に果たすのだが、あまりにもディフェンシブ過ぎる戦いを見せたため面白みのないサッカーと言われてしまった。
確かに3-5-2の3バックシステムは劣勢になると実質5バックという状態になりやすい傾向があるが、90年ドイツ代表の試合内容は守備的と批判されるものではなく、グループリーグでは10得点を上げるなど攻守共にバランスの取れたシステムであった。
チームの核はディフェンシブハーフのポジションに構える司令塔ノテウスで、彼を中心にしてドイツお得意のサイド攻撃を仕掛け、トップ下の2人がドリブル突破を試みることで攻撃にアクセントを付けていた。
守備に関してはドイツの伝統的な強さを持ち、3バックの中央がDFラインのコントロール、左ストッパーが機を見て攻撃参加、右ストッパーは守備の専門家とディフェンダー3人の特徴を活かした役割分担がなされていた。
実際のところ両ウイングバックが下がって5バックになる場面も多く、守備的と言われても仕方はないが、各ポジションに優秀なタレントを揃え、なおかつ適材適所に配置されて常に安定した強さを誇っていた。この90年ドイツ代表は優勝するべくして優勝したと言えるだろう。
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